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平成17年 第3回定例会

住民基本台帳の閲覧制度について

 はじめに、住民基本台帳の閲覧制度についてお伺いいたします。
 住民基本台帳の閲覧制度は、本来個人の住所を公に証明する唯一の公証制度として設けられたものであり、閲覧できるのは住所、氏名、生年月日、性別の4情報で、1967年の住民基本台帳法の制定時から原則公開となっております。
 総務省が全国2,400市区町村に対し本年5月に行った調査によると、2004年度の住民基本台帳の閲覧請求は約150万件であり、請求者別ではダイレクトメールなど民間業者が6割強を占めております。請求事由別ではダイレクトメールなど営業活動が7割近くを占め、市場調査が1割、世論や学術調査がそれに続いております。
 子どもが生まれると乳幼児用品の案内や、小学校入学時にはランドセル、更に学習塾のパンフレット、高齢者がいれば介護用品などさまざまなダイレクトメールが実にタイムリーに送られてきます。しかし、自分が望んでいないのに住所や家族構成まで第三者に知られることに不快感や不安を抱くのは、私一人ではないと思います。
 また、本年3月には名古屋市で起きた強制わいせつ事件の犯人は、住民基本台帳を閲覧し、母子家庭だけを探し出し、その自宅に押し入って犯罪を繰り返しておりました。この事件によって、住民基本台帳の閲覧制度に対する視線は一気に厳しくなったといっても過言ではありません。85年、99年の改正では、閲覧の対象や目的に制限が課せられ、原則公開が少しずつ見直す方向にあります。また、本年4月からは個人情報保護法が本格施行され、たとえ閲覧できるのが4情報だけであっても、プライバシーとして十分保護すべきとの議論もあります。
 そこで、はじめに、このような犯罪利用や大量閲覧への防止を区としてどのように検討され、実施されているのか。その結果、大量閲覧の件数は減少しているのか、お伺いをいたします。

 住民基本台帳については自治事務であり、その運用は各市区町村に任されておりますが、手続を厳正化する動きや条例を制定し、閲覧を制限している自治体もあり、具体的な扱いについては随分差が出ております。23区においても、原則非公開が千代田、江東、杉並、北、板橋、葛飾の6区で現行法令内での対応が練馬区をはじめ17区となっております。全国2,400市区町村のうち独自に条例を制定したところが55か所、規制や要領を定めているところが約800か所、閲覧について事前申請を求め、審査しているのが約1,400か所、閲覧請求者の身分証明の提示を求めているのが約1,950か所となっております。

 第2点目に、このように各自治体によって対応がさまざまなのはなぜなのか。ハードルを高くしてもダイレクトメールなどの業者の閲覧はなくならないのか、お伺いをいたします。
 千葉県浦安市は、7月1日「住民基本台帳の一部の写しの閲覧に係る個人情報の保護に関する条例」を施行いたしました。そのポイントは、1、住所、氏名を特定しない閲覧は拒否する。2、閲覧、写しの交付とも本人確認の規定を明文化する。3、ストーカー行為や配偶者による暴力(DV)の被害者は閲覧や写しの交付を拒否できるとの3点であります。
 1の規定により大量閲覧と言われるダイレクトメールなど営業目的の閲覧は、実質的にできなくなっております。例外として報道、学術機関の調査のための閲覧については公益性を判断するとしております。
 この条例に合わせ、浦安市は閲覧手数料徴収の単位を世帯から人数に変更し、閲覧用の台帳を住所ごとから氏名の50音順に改めました。これまでも浦安市では、閲覧のための事前申請には会社や機関の登記簿謄本やダイレクトメールの見本、閲覧者の雇用証明書等を添付させて審査をし、実際に閲覧に訪れた際にも身分証明書などを提示させてきました。更に、閲覧してメモをとるのは指定用紙と鉛筆のみで、メモはコピーをとって保管をしております。しかし、これだけ厳しい扱いをしても、昨年1年間で177件の閲覧申請があり、約2万世帯以上の情報が書き写されておりました。このうち6割以上の114件がダイレクトメール、市場調査のための閲覧でありました。今回の条例制定は3月の名古屋市での事件を契機に、市民の不安にこたえ、これまでの内規の運用を強化、明文化したもので、実際に窓口で対応する職員は「条例化されたことで安心感がある」と語っておりました。

 第3点目に、練馬区では条例ではなく要綱で対応しておりますが、その対策は十分であると考えていらっしゃるのか、ご所見をお伺いいたします。
 本年3月に公明党総務部会は、住民基本台帳の閲覧制度を悪用した事件の再発防止のため、抜本的な見直しを総務省に強く申入れを行いました。現在、総務省では検討会を設置し、本年秋を目途に結論を得ようと作業を進めております。プライバシー保護の制限と、一方で世論や市場調査、学術調査のための公益性とをどのような基準で認めていくのかが重要な点になると考えます。最近の報道によりますと、総務省での検討会は公益性が高いとされるもの以外を非公開とする限定公開の報告書を大筋で了承したとありました。全体的な流れを考えますと、原則非公開とするのが妥当と考えます。

 この項の最後に、選挙人名簿閲覧についてお伺いいたします。
 投票できる満20歳以上の住民の住所、氏名、生年月日、性別を記した選挙人名簿は市区町村ごとに製作され、公職選挙法の29条で「閲覧に供し、その他適当な便宜を供与しなければならない」と定められております。現在は自治体の職権で住民基本台帳をもとに作成されておりますが、住民基本台帳の閲覧が手数料を取られるのに対し、選挙人名簿の閲覧は手数料を徴収しておりません。住民基本台帳の扱いが厳しくなると予想される中で、選挙人名簿の方に閲覧が移るおそれがあります。あわせて見直すことが必要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

商店街振興対策について

 次に、商店街振興対策についてお伺いいたします。
 政府・日銀は8月9日、景気の現況について昨年秋から続いてきた踊り場を脱却したとの認識を相次いで発表。大企業の景気については上向き傾向が続いているとしております。一方、区内商業あるいは商店街を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。そこで、以下提案を交え、何点かお伺いをいたします。

 はじめに、本年3月より練馬区産業振興基本条例が施行されました。その第4条に「商店街において事業を営む者は、商店会への加入と当該商店街が賑わいや交流の場を提供する事業を実施する場合は、必要な負担をすること」を努力義務としております。条例が施行され約半年経過いたしましたが、現在までの実績についてお伺いいたします。
 また、商店会に加入するメリットが少ないとの声もあります。商店会参加の方策をもっと考えるべきではないでしょうか。この件については、地元商店会と区商店街連合会の努力が最も大切でありますが、区として側面からの援助も必要だと考えます。あわせてご所見をお伺い申し上げます。

 2点目は、商店街空き店舗入居促進事業についてであります。
 平成16年度より空き店舗対策として実施しているこの事業の現在までの開業実績は、残念ながら1件と準備中3件でしかありません。商店街に不足する業種などを早急にフォローする必要があると考えますが、なぜできないのでしょうか。区が現在実施している創業支援事業と一体となって活用し、実施すべきではないでしょうか。例えば、女性グループのアイデアを活用した事業の展開や若手グループのITを活用した創業などとタイアップをし、創意工夫をする必要があります。
 板橋区にある大東文化大学では、中板橋商店街に空き店舗を活用し、そこを拠点として商店街振興に関するゼミ活動をはじめ、地元商店主との交流や地域の安全と環境保全活動を行っております。今後これらの事業に対し、練馬区として積極的な支援が必要と考えますが、お考えをお聞かせください。

 3点目は、「るるぶ練馬区」についてであります。
 平成15年11月にるるぶ練馬区が発刊され、間もなく2年が経過いたします。この間、発行部数は6万部に達しました。最近では大田区や足立区でも刊行し、反響を呼んでいるとのことであります。時は早急に変化している現在、るるぶ練馬区の最新版の発刊を検討すべきではないでしょうか。
 現在、区の商工観光課では、練馬区素敵な風景百選を区民より募集を始めております。そこで選ばれた風景は、観光資源として新しいるるぶ練馬区に掲載すれば、広く内外に周知できるのではないでしょうか。また、「ねりコレ」の新たなる発掘を展開していく中で、全国に鳴り響くような練馬名物が多くできるよう区として力を入れるべきであり、それをるるぶ練馬区に紹介すべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 4点目は、安心・安全へ積極的に取り組む商店街についてであります。
 商店街の装飾灯は商店街の賑わいと洗練された景観の象徴となるばかりではなく、地域を明るく照らし、行き交う区民の皆様に安心を与える大きな存在であります。装飾灯の設置については都と区あわせて3分の2の補助金がありますが、維持費の電気代は3分の2が商店街の負担となっております。装飾灯はランプの数も多く、1基あたりの電気代も区の街路灯の2倍以上と聞いております。明るい町を守るためにも装飾灯の維持費について、区として一層の支援をすべきではないでしょうか。
 なお、装飾灯を設置した場合は、区の街路灯は撤去され、区の電気代等の負担分は不必要になるのであります。お考えをお聞かせください。
 また、商店街で地域のパトロールに取り組んだ際、多くの方々から「だれがパトロールをしているのか」といった問い合わせが商店会にあったそうであります。そこで、商店会が独自に準備するジャンパーやパトロール用品への支援を期待するものでありますが、ご所見をお伺いいたします。

 この項の最後に、選挙セールについてお伺いいたします。
 現在、全国各地では投票率アップと商店街の活性化を目的に選挙セールが広がりを見せております。昨年の参議院選挙で、早稲田商店会で始めて実施、投票率が上がる効果が実証されました。選挙セールとは、投票所で有権者が選管に申出て、投票済み証明書を発行してもらい、選挙セール実施店へ持参すると、例えばおそば屋さんでは全品100円引きや、他の商店では300円以上購入するともやし1袋、歯科医では先着50名に歯ブラシの進呈などユニークなサービスが受けられるというものであります。しかも、近隣区でも利用可能となっており、他区からも買い物に訪れるということで、商店街の活性化にも役立っております。
 練馬区ではまだ実施されていないため、近隣区で実施していることを聞き及んだ区民が投票済み証明書を請求し、利用しているようであります。今後商店街の活性化と投票率アップのためにも区の商店街連合会あるいは各商店街と商工観光課が連携をとりながら、創意工夫して練馬らしいサービス、例えば練馬区産の野菜や果物などの提供を積極的に取り入れるべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

地域福祉計画について

 次に、地域福祉計画についてお伺いいたします。
 国の社会福祉基礎構造改革の中で、近年、行政がサービス利用を決定する措置制度から、ノーマライゼーションの理念を具体化させるための自己決定を基本とした利用契約制度へと転換いたしました。更に、福祉の主体であった国から市区町村に実質移行し、平成12年度に改正された社会福祉法においては、第1条の目的に「地域福祉の推進」が掲げられました。平成15年4月施行の地域福祉計画では、地域福祉を推進する具体的計画の策定が盛り込まれ、これに基づき、練馬区でも昨年7月より練馬区地域福祉推進懇談会を立ち上げ、現在策定作業が進められております。

 まずはじめに、地域福祉計画の役割、位置づけについてであります。
 区は本年9月に出された素案の中で、その位置づけを福祉分野の各個別計画による共通理念を定めるとしております。しかし、地域福祉計画はノーマライゼーションという共通の視点で保健、福祉、医療はもとより、教育、就労、交通、都市づくり等々広範な内容におよぶ計画の策定であり、区民の多様化するニーズにこたえ、公助、自助、共助といった新しい仕組みづくりをつくるものであると考えます。地域福祉計画は、実効性あるものとするために個別縦割計画を包括する役割や位置づけにする必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 更に、策定後においてもこの計画が広範な分野におよぶことから、行政の横断的な連絡機関を設置すべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 2点目に、地域福祉計画の担い手は行政の福祉分野を超えて、地域住民、要支援者の団体、自治会、町会、民生委員、児童委員、商店街、ボランティア等々広範にわたっております。また、これらの方々が相互に協力し合うことをその目的としており、担い手の発掘、人材育成は大変重要な課題だと考えます。練馬区地域福祉計画では、それがどのように盛り込まれるのか、ご所見をお伺いいたします。
 長野県では、全市町村で「保健補導員制度」を実施しているそうであります。この制度の特徴は、地区住民の自主的組織として委託を受けた「保健補導員」が自らの健康を守るため講習を受け、その成果や内容を家族や担当した約100世帯の地域の方々に家庭訪問をして伝えるというものであります。こうした取り組みも練馬区として実施すべきだと考えますが、あわせてご所見をお伺いいたします。

 3点目に、担い手である自治会、町会、ボランティア等の各種団体の組織拡大等、充実も重要であります。
 高齢化や組織率等の問題を抱えた団体もあり、担い手である団体の育成をどのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いいたします。

 4点目に、今後の課題として計画の進行状況の確認と見直しについてであります。
 素案では「地域福祉推進委員会」を設置し、「地域福祉を考える会」の状況等をチェックするとありますが、当初13地区で発足した地区座談会も現在継続しているのは7地区であります。地域範囲を第3層のネットワークづくりまで拡大をし、再編する必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 この項の最後に、地域福祉の課題の中に挙げられた移動サービス団体との協働についてお伺いいたします。
 歩行が困難なお年寄りや移動困難な方々にとって、通院や外出などの移動確保は重要な課題であります。練馬区では昨年12月、福祉有償運営協議会を設置し、NPO法人が合法的な活動ができるよう取り組みをされました。更に、本年3月には、構造改革特区の認定を受け、ボランティア有償運送で使用する車両を一般車両にまで拡大することができました。こうした練馬区の取り組みに対しましては高く評価するものであります。移動サービスが円滑に運営されるためには、資金援助も含めた区のリーダーシップが大事であります。今後の取り組みについてお伺いを申し上げます。
 また、本年7月から試行運転した福祉園バスの活用もノーマライゼーション推進のために大変有効であると考えます。特に西大泉、大泉学園町、大泉町の交通不便地域にお住まいのご高齢者、歩行困難者の方々にとって順天堂大学練馬病院への通院は困難を極め、早急の試行運転が望まれるところでありますが、今後の見通しなどあわせてお伺いいたします。

学校の情報提供について

 次に、学校の情報提供についてお伺いいたします。
 平成14年、文部科学省より出された学校設置基準の省令改正に伴い、児童・生徒や保護者の教育活動への一層の理解を深め、地域に信頼された、開かれた学校づくりを行う上で、各学校の有する情報を積極的に提供することが求められております。学校の情報を公開する中で、特に重要性を増してくるのは、学校教育目標とその目標実現のための行動プランであります。
 はじめに、共通する教育課程について、行動プランの情報提供はどのように進んでいるのか、その進捗状況をお伺いいたします。

 第2点目に、各学校におけるシラバスの作成であります。
 シラバスとは、教えるべき目標、学習内容、学習方法、教師の指導方法、評価等の概要を児童・生徒、保護者に向け示したものであり、欧米で発達したものであります。シラバスにより、児童・生徒はあらかじめ授業の全体構成や内容を知ることができ、教師は他教科との調整や学習内容の共有化が図られるとの利点があります。これまで大学や一部の高校で作成されてきましたが、最近では小・中学校でもシラバスを作成する学校が増えております。
 このような観点から、練馬区においても小・中学校でのシラバスの積極的な推進を図るべきであります。そのためには、教育委員会が中心となって、シラバス作成の手引きを作成し、各学校に情報提供をしていくことが重要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 また、各学校のシラバスの公開においては、学校紹介のホームページに掲載し、積極的に情報公開を進めるべきであります。そのことにより、児童・生徒や地域との信頼関係を深め、安心感を醸成することにも役立つものであります。シラバスは、学校の説明責任を最も効果的に果たす役割を持っていると考えます。ご所見をお伺いいたします。


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